風邪のだるさと内科の待ち時間

風邪をひいてしまって内科に受診する患者は多いですが、医療機関によっては待ち時間が長いこともあります。
熱や頭痛でだるいときに、その待ち時間を過ごすのは非常に辛いですよね。
田舎の総合病院などでは数時間待つケースも珍しくありません。
本当に風邪のだるさを我慢してまで、長い待ち時間を過ごし診察を受ける必要性があるのでしょうか?

結論から言うと、風邪の「完治」が目的であれば通院する必要はありません。
そもそも風邪と言うのは自己治癒力でしか治すことができない病気で、内科で診てもらって薬を処方してもらっても「治癒効果」は得られないからです。
これは風邪、つまりウイルス性上気道感染症の全般に言えることですので、たとえインフルエンザでも例外ではありません。
インフルエンザも広義で言えば風邪の一種なのです。

風邪の際に処方される薬は、症状を緩和したり、インフルエンザの薬として有名な「タミフル」などのようにウイルスが体内で増殖するのを防いだりするのが主な効果になります。
風邪で内科にかかるとよく「抗生剤」も処方されますが、抗生剤はそもそも「万が一細菌感染症だった場合」に備えて処方されるものなので、ある種のリスクマネージメントであり、風邪の治療や症状の緩和には本来無関係な薬なのです。

風邪の治療は最終的に自分の免疫に任せるしかないので、安静にして栄養と水分を補給することが唯一無二の治療法と言えます。
多くの場合、家で安静に寝ていれば治ります。
安易に解熱すれば免疫の機能を阻害しウイルスに有利な環境を作ってしまうこともあるのです。
つまり風邪のだるさを我慢して待ち時間を過ごすのであれば、家で安静にしていた方が良い、というケースは非常に多いのです。
家にいた方がウイルスの拡散も防げますよね。

しかし、風邪の完治が目的ではなく、症状の緩和や診断そのものが必要な場合は、だるさを我慢しても通院するしかありませんよね。
インフルエンザのように重症化のリスクが高い患者層のあるウイルスも存在しますので、該当する患者は通院するべきでしょう。

そしてそういった場合にまず利用するべきなのが、待ち時間の短いクリニックや診療所、医院です。
小規模で患者数が少ない分、病院よりも待ち時間が短い傾向があります。
中には訪問医療を行っている内科クリニックもありますので、そういった医療サービスも検討すると良いでしょう。
重い症状の場合、重症化している可能性もありますので、すぐに医療機関を受診しましょう。